ハザードマップを開いてみたものの、色の意味がよく分からなかったり、自分の家がどの範囲に入るのか判断がつかなかったりする。そういう経験、一度はありますよね。
地域情報メディア『中京びより。』のエリア担当ライター、フトシです。中京区に住んで長くなりますが、正直なところ、ハザードマップを「ちゃんと読めた」と思えたのは、地図の種類の違いを知ってからのことです。今回は洪水や内水、土砂など地図の種類ごとの見方と、日常の備えにつなげるための確認の順番を整理します。
この記事では、色分けの意味、見落としやすいポイント、公式マップの開き方までを一つずつ説明します。
中京区でハザードマップを見る意味
中京区は鴨川と天神川に挟まれた平坦な市街地です。周囲に急峻な山がなく、一見すると水害リスクを意識しにくい地形に見えます。
ただ、平坦であることは水が溜まりやすい条件でもあります。地形の特徴を地図で一度確かめておくと、大雨の報道を見たときに自分の場所を冷静に判断しやすくなります。
洪水と内水では地図が別になっています
迷いやすいのが、「洪水」と「内水氾濫」は別の地図に分かれているという点です。京都市の水害ハザードマップには、この両方の情報が含まれています。
洪水は鴨川などの河川が溢れた場合の浸水範囲。内水は大雨で排水が追いつかず、側溝や下水道から水が溢れる場合の範囲。同じ「浸水」でも、原因と範囲が異なります。
自宅周辺の状況を確認するときは、どちらの地図を見ているかを先に確認しておくと、後で混乱しません。
色分けでまず確認したい場所
ハザードマップの色は浸水深の想定を表しています。濃い色ほど深い浸水を示すのが基本ですが、凡例(地図の外側の説明)で必ず数値を確かめることが先です。
- 0.5m未満(薄い色)
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床下浸水の目安。建物への影響は限定的ですが、道路冠水で移動が制限されることがあります。
- 0.5m以上3m未満(中間色)
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1階が浸水する範囲。家財への影響が出やすく、避難の判断が必要になりやすい深さです。
- 3m以上(濃い色)
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2階の床付近まで達する深さ。この範囲に自宅がある場合は、早めの避難行動が重要になります。
凡例なしで色だけを見て判断するのは危険です。地図によって色の区切りが異なることがあるので、必ず凡例を確認してから全体を見るようにしています。
自宅だけでなく通勤先も見ておく理由
わたし自身、烏丸御池から四条あたりを仕事で移動することが多いので、中京区全体のリスクの分布が気になります。大雨が降ったとき、家に戻れるかどうかは、自宅だけでなく移動ルートの状況で変わるからです。
たとえば、職場や学校周辺の浸水想定が深い場合、そこを通って帰宅するルートが使えなくなることがあります。通勤先と自宅の両方を先に見ておくと、判断の選択肢が増えます。
避難場所の位置だけでは足りないこと
地図に表示されている避難場所には、対応している災害の種類が施設ごとに異なります。洪水対応の避難場所として指定されていても、土砂災害には対応していない施設があります。
京都市防災ポータルサイトでは、各施設の対応災害を「避難施設カルテ」で確認できます。近くにある施設が、自分の想定している災害に対応しているかどうかを見ておくと安心です。

場所だけ知っていても、どの災害に使えるかも見ておきたい
建物の階数と周辺道路でも見方が変わる
同じ浸水深0.5m以上の範囲でも、住んでいる建物が木造の平屋なのか、鉄筋コンクリートの高層マンションなのかで、とるべき行動は変わります。また、避難場所までの経路に浸水深が深い道路が含まれているかどうかも、地図で事前に確認しておきたい点です。
中京区のような密集した市街地では、一本の通りを変えるだけで浸水想定が変わることもあります。自宅周辺を少し広めに見る習慣が、実際の場面で役立ちます。
引っ越し前に見ておきたいこと
住まいを探すときに地図を確認するのは、価値観として自分には合っています。物件の内装や広さより先に、そのエリアのリスクの分布を見ておくと、後の選択肢が絞りやすくなります。
- 洪水・内水の両方の浸水想定を確認する
- 最寄りの避難場所と対応災害を確認する
- 周辺道路の浸水リスクも地図で見ておく
- 土砂災害リスクの有無も合わせて確認する
ただし、ハザードマップはあくまで想定です。実際の災害は降雨量や状況によって変わります。地図の情報を参考にしながら、最終的な判断は公式情報と合わせて行うことが大切です。
大雨のたびに見直したい確認の流れ
大雨の季節になるたびに地図を開くのは少し手間に感じるかもしれませんが、一度手順を決めておくと動きやすくなります。
京都市防災ポータルサイトからアクセスできます。スマートフォンでも確認できます。
洪水・内水(雨水出水)・土砂それぞれのレイヤーを切り替えて見ます。
自宅周辺だけでなく、移動ルートや避難場所の対応災害も確認します。
公式の地図を確認する方法と場所
中京区のハザードマップは、京都市防災ポータルサイトから確認できます。PDF版は「上京区・中京区」として令和3年5月発行のものが公開されています。Web版ハザードマップは、地図上で場所を指定して浸水深を確認できます。
また、京都府マルチハザード情報提供システムでは、市区町村を選択して洪水・土砂・地震など複数の災害リスクを一画面で確認できます。
制度や想定範囲は更新されることがあるため、最新の情報は公式サイトで確認することをおすすめします。
見落としやすい失敗と注意点
見落としやすいのが、「ハザードマップに色がついていない=リスクがない」ではないという点です。想定の対象外になっている場所や、地図の縮尺によって細かい差が見えにくくなっている場合があります。
また、ハザードマップは「最大規模の雨が降った場合の想定」を示しています。普段と違う大雨が来たとき、どの地図を開いて何を見るかを、事前に一度確かめておくことが大切です。
今日から使うための最初の一歩
今週末に少し時間があれば、まず京都市防災ポータルサイトのWeb版ハザードマップを開いて、自宅の場所を確認してみてください。洪水と内水(雨水出水)の地図を切り替えて見るだけで、自宅周辺の状況がだいぶ分かります。
「確認したらちょっと安心した」でも「改めて備えを見直そうと思った」でも、どちらでもいいと思っています。地図を一度見ておくだけで、大雨のニュースを見たときの気持ちの重さが少し違ってくるのを、わたし自身も感じています。
気になった場所はスクリーンショットを撮って家族と共有しておく。それだけで、いざというときの話し合いが少しスムーズになります。まずは地図を開くところからだけでも、試してみてくださいね。












